酸素濃度の測定記録表|7つの事項と作業主任者の1日分の記入例
公開日: 直感日報 編集部 約 9 分で読めます

酸素濃度の測定記録表は、条文の号ごとに書く欄を先に決めておくと、測るたびに手が止まりません。測った作業主任者が自分の日報に書くなら、測った日と氏名は日報の日付と書いた人で埋まり、残りは測定の行と測り方の 1 行に入ります。
この記事でわかること
- 酸欠則 3 条 1 項は、酸素欠乏危険場所で作業を行う作業場について、事業者がその日の作業を開始する前に空気中の酸素(第二種酸素欠乏危険作業に係る作業場は酸素と硫化水素)の濃度を測るとしている(酸素欠乏症等防止規則 第3条・e-Gov・2026-10-30 確認)
- 同 2 項は、前項の規定による測定を行ったときはそのつど、測定日時・測定方法・測定箇所・測定条件・測定結果・測定を実施した者の氏名と、防止措置を講じたときはその概要を記録し、3 年間保存するとしている(同 第3条第2項・2026-10-30 確認)
- 11 条 2 項 2 号は、作業主任者に濃度を測らせる時点を、その日の作業を開始する前・全員が作業場所を離れた後の再開前・身体や換気装置等に異常があったときの 3 つとしている(第二種は 3 項で準用)(同 第11条・2026-10-30 確認)
- 直感日報では日報が 1 人 1 日 1 件で、明細は 1 つに 6 列まで置け、紙面は題が「作業日報」、見出しに日付と作成者が入る(直感日報の製品の仕様・2026-10-30 確認)
測定記録に書く 7 つの事項
7 つのうち 6 つは測るたびに埋まり、7 号の措置の概要は、測った値を受けて措置を講じた行にだけ入ります。
事業者は、前項の規定による測定を行つたときは、そのつど、次の事項を記録して、これを三年間保存しなければならない。
- 一 測定日時
- 二 測定方法
- 三 測定箇所
- 四 測定条件
- 五 測定結果
- 六 測定を実施した者の氏名
- 七 測定結果に基づいて酸素欠乏症等の防止措置を講じたときは、当該措置の概要
(前掲 酸素欠乏症等防止規則 第3条第2項・2026-10-30 確認)
7 号は「測定結果に基づいて」措置を講じたときの事項です。当社の記入例では、作業の間ずっと回す送風機は措置の列に入れず、測った値を見て足した換気や立ち入りの見合わせだけを書きます。
測定記録表には決まった様式があるように見えますが、3 条 2 項が定めているのは書く事項と保存の年数です。様式の名前は条文に出てきませんでした。
酸欠則の 3 年とは別に、日報の保存の年数を数える考え方は、作業日報の保存期間の記事が条文から追っています。
マンホールの酸素濃度は、いつ・誰が測るか?
朝 8 時台の作業開始前に加え、昼休みに全員が地上へ上がって 13 時台に入り直す前と、身体や換気装置に異常があったときにも、作業主任者が測ります。
11 条は、事業者が選任した酸素欠乏危険作業主任者に測定を行わせるとしています。第二種の作業では、1 項がその主任者を酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了者から選ぶと定めています。
時点は 2 項 2 号にあります。
二 その日の作業を開始する前、作業に従事するすべての労働者が作業を行う場所を離れた後再び作業を開始する前及び労働者の身体、換気装置等に異常があつたときに、作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を測定すること。
(前掲 酸素欠乏症等防止規則 第11条第2項第2号・2026-10-30 確認)
第二種の作業では、3 項が「酸素」を「酸素及び硫化水素」と読み替えています。
3 条 2 項は、記録と 3 年間の保存を「前項の規定による測定」について定めています。文言の上では、1 項の測定に掛かる規定です。
当社は、再開前と異常時の測定も同じ明細に 1 行ずつ足す形で置いています。
別表第六の酸素欠乏危険場所で作業をしない日は、3 条の測定と記録の外です。
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記入例 — 汚水のマンホール 1 か所、作業主任者 1 人の 1 日【表】
明細は時刻・測定箇所・測定条件・酸素・硫化水素・措置の 6 列で、朝と昼に 3 点ずつ測った値が 6 行に入ります。
下水の汚水管の工事で、マンホール A に作業主任者 1 人と作業員 3 人が入る日を記入例にとります。会社・現場・時刻・数値は架空です。
汚水のマンホールの内部は別表第六の 9 号の場所で、第二種として酸素と硫化水素を測ります。この 1 日分の 7 つの事項を、作業主任者の日報の欄に置き換えると次の 7 行です。
| 3 条 2 項の号 | 日報のどこに書くか | この日の記入(架空) |
|---|---|---|
| 一 測定日時 | 日報の日付と、明細の「時刻」の列(文章) | 10 月 29 日・8:10〜13:11 の 6 行 |
| 二 測定方法 | 文章の項目「測定方法」 | 携帯型の濃度計のホースを下ろして測った |
| 三 測定箇所 | 明細の「測定箇所」の列(文章) | A 上部・A 中間・A 底部 |
| 四 測定条件 | 明細の「測定条件」の列(選択) | 開始前(換気前)/ 再開前(換気中) |
| 五 測定結果 | 明細の「酸素」「硫化水素」の 2 列(文章) | 20.6〜20.9%・0〜1ppm |
| 六 測定を実施した者の氏名 | 日報を出した人(紙面の作成者) | 測った作業主任者本人 |
| 七 測定結果に基づいて酸素欠乏症等の防止措置を講じたときは、当該措置の概要 | 明細の「措置」の列(文章) | この日は空(測った値を受けた措置なし) |
雨水やケーブルのマンホールのような第一種の場所なら、3 条の測定は酸素だけなので、硫化水素の列を外して 5 列にできます。測った人と日報を出す人が別の日は、日報を出した人の名前では 6 号が埋まらないため、測定方法の項目に測った人の名前も書きます(明細に 7 列目は作れません)。
0 時をまたぐ夜間の作業では、日付が変わった後の行の時刻の列に「10/30 1:20」と日付も書きます。
4 号は、条文には「測定条件」とだけあります。当社はこの列を、いつ測ったかと換気の状態を選ぶ欄として置き、選択肢を「開始前(換気前)」「再開前(換気中)」「異常時」「換気後に再測定」の 4 つにしています。
換気装置が止まった日などは、その時刻の行を足して「異常時」を選びます。
酸素と硫化水素は、「20.6%」「0ppm」と単位まで書く文章の列にしています。数値の列にすると、行の値の合計が 1 つの系列として集計に乗るためです。
測るたびにその場で明細へ 1 行足し、提出は夕方に 1 回にします。下書きのうちはサーバに保存され、所長の画面へは提出してから届きます(所長が管理者かマネージャーの会社の場合)。
所長に朝の値を先に読ませたい日だけ朝にも出し、昼の 3 行を足して出し直した時点で、所長の既読と承認は外れます。
マンホールが 3 か所の日は 3 か所 × 3 点 × 2 回 = 18 行です。「行数の上限」は明細を足したときの初期値が 10 行なので、テンプレートの編集で 30 までの値に上げておくと、異常時と換気後の再測定が重なる日も行を足せます。
明細を必須にしなければ、酸欠作業の無い日は空のまま出せ、閲覧でも明細ごと表示されません。
1・3・4・5・7 号を受ける 6 列の明細は、直感日報(建設・店舗など現場チーム向けの日報管理サービス)なら、テンプレートの割り当てで作業主任者の日報にだけ出せます。今朝の 3 点を時刻の列から打ち込むと、昼の 3 行はその下に続けて足せます。
測定器の値を読み込む機能も、書いた濃度が基準を割ったかを判定して知らせる機能も、直感日報には入っていません。濃度が基準の内かを見て措置を決める役目は、作業主任者に残ります。
日報が「書くのも読むのも」速くなる。スマホから 15 秒で提出。数値は設定ゼロで自動集計。クレジットカード不要で 14 日間試せます。無料で 14 日試す →400 円/人/月・最低 5 名から提出を所長に告げるメールは出ないので、18% を割った朝は、測った場所から電話で所長に伝えます。紙面の入口は、会社が印刷 / PDF の設定を切っていなければ提出を終えた画面とフィードのカードにあり、過去の日報の詳細にはありません。
18% を下回った日・硫化水素が出た日は、何を書くか?
換気前に測った値と措置が 1 行目、換気の後に同じ点を測り直した値が 2 行目です。
2 条は、酸素の濃度が「十八パーセント未満」の状態を酸素欠乏とし、硫化水素の濃度が「百万分の十を超える」状態と合わせて酸素欠乏等と定めています。18.0% ちょうどは「未満」に入らず、5 条が換気で保つよう求める「十八パーセント以上」の側です。
10ppm ちょうども「超える」には当たらず、「百万分の十以下」の側に入ります(前掲 酸素欠乏症等防止規則 第2条・第5条・2026-10-30 確認)。
別の日の作例です。作業を始める前に A の底部で測ると酸素が 17.6% で、18% 未満なので酸素欠乏に当たりました。
マンホールへの立ち入りは見合わせ、送風機で換気してから同じ底部を測り直しました。20.4% に戻ったのを見て、作業を始めました。
底部の明細の書き方は、次の 2 行です。
- 1 行目 — 8:20・A 底部・開始前(換気前)・酸素 17.6%・硫化水素 0ppm・措置「送風機で換気、立ち入りを見合わせ」
- 2 行目 — 8:50・A 底部・換気後に再測定・酸素 20.4%・硫化水素 0ppm・措置は空
7 号の措置の概要は、1 行目の措置の列にあります。硫化水素が 10ppm を超えた日も、換気前の値と措置の行、測り直した値の行という同じ 2 行の形です。
途中で酸素欠乏等のおそれが生じたときは、直ちに作業を中止して退避させると 14 条が定めています。記入例では、中止と退避もその時刻の行の措置の列に入ります。
常時の見張りや測定器のログが要る現場なら
13 条が求める見張りと通報の役目は、日報の提出とは別に、作業の間ずっと続きます。
13 条は、常時作業の状況を監視し、異常を直ちに通報する者を置くなどの措置を事業者に求めています。
次の 4 つのどれかを求める現場は、直感日報とは別に、測定器の記録か紙の様式を手元に残します。
- 測定器のログを、そのまま取り込んで残す(取り込む機能は無く、値は手で写す)
- 作業中に濃度が下がったとき、その場で所長に知らせる(提出時の知らせも無い)
- 元請や発注者の様式と押印で出す
- 3 年の保存を製品の中だけで済ませる(利用規約は、契約終了から合理的な期間の後に投稿データを削除できるとしている)
3 年分を手元に残すなら、提出したその日に紙面を印刷か PDF にして綴じます(会社が印刷 / PDF の設定を切っていない場合)。
出しそびれた日報は、当日から 7 日前の分まで後から出せます。8 日前の分と先の日付の分は出せません。
保存を条文が定める点検と定めない点検の分け方は、点検アプリの記事が表で示しています。
よくある質問
Q1. 第一種と第二種で、測るものは違いますか?
3 条 1 項は、第二種酸素欠乏危険作業に係る作業場に限り、酸素に加えて硫化水素も測らせています。第二種は、別表第六の 3 号の 3・9 号・12 号(12 号は、硫化水素中毒のおそれもある場所として大臣が定めるものに限る)の場所での作業です(2 条 8 号)。
汚水のマンホールは 9 号で第二種、雨水が滞留しているか、滞留したことのあるマンホール(3 号の 2)やケーブル等を収めるマンホール(3 号)は第一種で、酸素だけを測ります。
Q2. 特別教育を受けた人が測ってもよいですか?
12 条は、酸素欠乏危険作業の業務に就く労働者に、発生の原因や空気呼吸器等の使用の方法などの科目で特別の教育を行うよう、事業者に求めています。測定は 11 条 2 項 2 号が作業主任者に行わせる事項で、特別教育を受けた人が測ってよいかは、どちらの条文にも書かれていません。
Q3. 元請や発注者の様式がある現場では、どう書きますか?
様式を元請や発注者が指定した現場では、その様式へ写すか、日報を印刷した紙を添えるかを、指定した側と取り決めます。紙面の題は「作業日報」で固定なので(印刷は会社が設定を切っていない場合だけ)、題まで決まった様式の代わりにはなりません。
まとめ: 次にやること
- 作業主任者のテンプレートへ、6 列の明細(行数の上限は 30)と「測定方法」の文章の項目を 1 つずつ足す
- 測定条件の選択肢を 4 つ決め、昼の再開前と異常時の行も同じ明細に書くことを現場で決める
- 明日、作業を始める前の 3 点を、時刻つきで明細に書いてみる
記録の軸は、1 項の開始前の測定です。
測った値を作業が済んでから写す日は、朝の 3 点と 13 時台の 3 点を時刻でしか見分けられず、4 号の測定条件が抜けたまま残ります。
測ったその場で 1 行ずつ書き、測定条件の欄を空けずに出す決まりにすれば、どの様式に写しても再開前の行は朝の行と見分けられます。
措置を書かなかったセルは、直感日報の閲覧でも「–」と出て、明細は列名つきの表のまま読めます。
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※ 記入例の会社・現場・時刻・測定値は架空の例です。条文は 2026 年 10 月 30 日時点の e-Gov の現行版によるもので、通達・告示による様式の定めの有無は確かめていません。製品の機能は 2026 年 10 月 30 日時点の直感日報の仕様によります。
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直感日報 編集部
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