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工事履行報告書の書き方とは?実施工程(出来高%)の算出と提出時期・様式

公開日: 2026-08-14 直感日報 編集部

この記事でわかること
- 工事履行報告書は、予定工程と実施工程(%)を毎月発注者へ報告する契約書類であること(根拠 = 公共工事標準請負契約約款第 11 条)
- 記載項目 6 つの書き方と、予定と実績がズレたときの備考欄の書き方
- 実施工程(出来高%)は日々の実績記録から積み上げて算出すること
- 様式・提出時期は発注者ごとに違うことと、中間前払金の認定資料になること

工事履行報告書とは — 予定工程と実施工程(%)を毎月報告する契約書類

工事履行報告書とは、工事の予定工程と実施工程(出来高の進捗率)を、受注者が発注者へ毎月報告する契約書類です。公共工事では、発注者が現場に常駐しなくても工事の進み具合を把握できるよう、月ごとの予定と実績を % で対比する様式が広く使われています。書き方の骨格は次の記入例のとおりです(% は例示値)。

項目記入例
工事名◯◯線道路改良工事
工期2026年4月1日〜2026年12月20日
報告月2026年7月分
予定工程(%)45
実施工程(%)42
備考7/10〜12 降雨により土工中断(3 日)

見た目は 1 枚の簡単な書類ですが、実施工程の % は日々の作業実績の積み上げがないと書けず、後述のとおり中間前払金の認定資料にもなります。順に整理します。

提出の根拠は約款第 11 条 — 様式と頻度は発注者の設計図書で決まる

提出の根拠は、公共工事標準請負契約約款の第 11 条(履行報告)です。条文は「受注者は、設計図書に定めるところにより、この契約の履行について発注者に報告しなければならない」と定めています(公共工事標準請負契約約款 第 11 条・国土交通省・2026-08-14 確認。令和 7 年 12 月改正の新旧対照表にも第 11 条の変更はありません)。

ポイントは「設計図書に定めるところにより」という書き方です。報告そのものの義務は約款で決まり、どの様式で・どの頻度で・いつまでに報告するかは、発注者ごとの設計図書(共通仕様書・特記仕様書・提出書類要領)側で決まります。様式名や提出期限が発注者によって違うのはこのためで、受注した工事の要領を確認するのが出発点になります。

記載項目 6 つと書き方

記載項目は「工事名・工期・報告の月分・予定工程(%)・実施工程(%)・備考」の 6 つが基本形です。書き方のポイントは 3 つあります。

  • 予定工程は当初の工程表から転記する: 提出済みの実施工程表(工程曲線)の月末時点の値と一致させる。工程を変更した場合は変更後の計画で書く
  • 実施工程は月末時点の実績で書く: 算出のしかたは次の節のとおり。予定の丸写しにしない
  • 備考欄は「日付 + 理由」をセットで書く: 予定と実績がズレたときに「7/10〜12 降雨により土工中断」のように、いつ・何があったかを具体的に残す

予定と実績の乖離は、隠すものではなく報告するものです。日付と理由が書いてあれば、発注者側は工程遅延の原因を把握でき、工期や工程の協議もその記録が起点になります。

実施工程(出来高%)はどう算出する?日々の実績記録から積み上げる

実施工程の % は、月末に「どの作業がどこまで終わったか」を工種ごとに集計し、工事全体に対する出来高の割合として算出します。当日の記憶だけで月末にまとめて思い出すことはできないため、実務の型は次のサイクルになります。

工事履行報告書の月次サイクル。日々の日報に作業実績と数量を記録 → 月末に数値を集計 → 実施工程%を算出して報告書へ転記 → 発注者(監督職員)へ提出

  • 日々の日報に、工種ごとの作業内容と数量(施工延長・打設量・搬入量など)を記録する
  • 月末に当月分の数量を集計し、工種ごとの進捗を出す
  • 工種ごとの進捗を工事全体の構成比に掛け合わせて、実施工程(%)を算出・転記する
  • 発注者(監督職員)へ提出する

なお、報告書そのものに細かい内訳の添付を求めない発注者もあります。例えば中部地方整備局の土木工事書類作成提出要領(平成 22 年 4 月)では、工事履行報告書は所定様式で提出し添付資料は不要、ただし監督職員が内容の詳細確認を求めた場合は実施工程表や詳細な出来高内訳等を提示しなければならない、とされています(中部地方整備局 土木工事書類作成提出要領・2026-08-14 確認)。つまり提出は 1 枚でも、% の裏づけになる日々の記録は求めに応じて示せる状態にしておく必要があります。

提出時期・様式は発注者ごとに違う【実例】

様式名・提出期限・運用は発注者ごとに異なるため、必ず当該工事の提出書類要領・設計図書で確認してください。実例を並べると違いがわかります。

発注者様式・運用の例
福島県第 8 号様式その 3。提出期限は「毎月」、根拠は約款第 11 条と明記(福島県 県発注工事における提出書類・2026-08-14 確認)
東京都建設局土木用・建築用で別様式。作成見本つきで、提出書類一覧では「中間前払」の区分に配置(東京都建設局 受注者等提出書類・2026-08-14 確認)
中部地方整備局所定様式で提出・添付資料は不要(詳細確認を求められた場合は出来高内訳等を提示)(前掲 要領)

提出期限を「毎月◯日まで」と具体的に定める発注者もありますが、日付は要領ごとに異なります。月次の提出書類という点では、週休2日工事の月間現場閉所報告書と並ぶ「毎月の定例報告」で、どちらも日々の記録が原本になる点が共通です。

中間前払金の認定資料になる — 実施工程 50% 以上などの要件

工事履行報告書は、中間前払金(中間前金払)を請求するときの認定資料としても使われます。例えば東近江市の中間前金払制度では、認定の条件として ①前払金を受けていること ②部分払を受けていないこと ③工期の 2 分の 1 を経過していること ④工程表により工期の 2 分の 1 までに実施すべき作業が行われていること ⑤工事履行報告書の実施工程の報告が 50% 以上であること、の 5 つを挙げ、「工事の進捗の確認は出来高検査を要しません。請負者からの履行報告書により確認します」としています(東近江市 中間前金払制度・2026-08-14 確認)。

検査に代えて履行報告書で進捗を確認する運用では、毎月の報告が資金繰りに直結する書類になります。対象工事の金額・割合・要件の細部は発注者の要領ごとに異なるため、中間前払金を使う予定があるなら、当該発注者の制度ページで要件を確認しておいてください。

毎日の日報を実施工程の「原本」にする

直感日報は日報の記録・数値集計・CSV エクスポートを行うツールであり、工事履行報告書の様式そのものの自動作成や、実施工程(出来高%)の自動算出、発注者への提出はできません。また、勤怠管理・打刻・賃金計算の機能もありません。できるのは、日々の作業実績と数値を記録し、月末の算出・転記のときに参照する原本を整えるところまでです。

その範囲でも、実施工程の % は日々の実績の積み上げでしか書けないため、毎日の日報がそのまま効きます。スマホから 15 秒で提出でき、施工延長や打設量などの数値項目は設定ゼロで自動集計されるので、月末に当月分の数量を拾い直す手作業を減らせます。CSV エクスポートでひと月分の一覧を出せば、報告書へ転記する際や、監督職員から出来高内訳の提示を求められた際の照合原本になります。数値集計の仕組みは日報の集計を自動化する記事CSV エクスポートの記事で、原本になる日報の書き方は現場日報の書き方の記事にまとめました。

よくある質問

Q1. 工事履行報告書に添付資料は必要ですか?

発注者によります。中部地方整備局の要領では添付資料は不要とされていますが、監督職員が内容の詳細確認を求めた場合には、実施工程表や詳細な出来高内訳等を提示しなければなりません。添付が不要でも、% の根拠を示せる日々の記録は整えておく必要があります。

Q2. 工事日誌(工事日報)とは何が違うのですか?

役割と出番が違います。福島県の提出書類一覧では、工事履行報告書(第 8 号様式その 3)は毎月「提出」する書類、工事日誌(第 32 号様式)は完成検査のときに「提示」する書類と整理されています(前掲 福島県)。日誌は日々の施工の記録そのもの、履行報告書はそれを月次の % に要約した報告、という関係です。

Q3. 予定より実績が遅れているときは、どう書けばよいですか?

実施工程は実績のとおりに書き、備考欄に「日付 + 理由」を残します(例: 7/10〜12 降雨により土工中断)。遅延を予定どおりに見せる書き方は、後の工程協議や検査で日々の記録と食い違う原因になります。天候や資材遅延などの事実を日報に日々残しておけば、備考欄はその転記で済みます。

Q4. 民間工事でも工事履行報告書は必要ですか?

契約によります。約款第 11 条に相当する履行報告の定めが契約書・約款にあるか、発注者が月次報告の様式を定めているかで決まるため、契約書類を確認してください。公共工事のような統一様式がない場合でも、月次の進捗報告を求められる契約はあります。

まとめ: 工事履行報告書は「毎月の %」を日々の記録で裏づける書類

  • 工事履行報告書は、予定工程と実施工程(%)を毎月発注者へ報告する契約書類。根拠は約款第 11 条(履行報告)
  • 様式・提出期限は発注者の設計図書・提出書類要領で決まる(福島県 = 第 8 号様式その 3・毎月、東京都 = 土木/建築別様式など)
  • 記載項目は工事名・工期・月分・予定工程・実施工程・備考の 6 つ。乖離は備考欄に「日付 + 理由」で残す
  • 実施工程の % は日々の実績記録から月末に積み上げて算出する。添付不要の発注者でも、求めに応じて出来高内訳等を提示できる状態にしておく
  • 中間前払金の認定資料になる(東近江市は実施工程 50% 以上が条件の一つ)。要件は発注者ごとに確認する

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この記事は直感日報 編集部が提供しています。

<small>※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としています。工事履行報告書の様式・提出時期・中間前払金の要件は発注者ごとに異なります。実際の工事では当該工事の契約書・設計図書・提出書類要領と現場ルール・関係法令を優先し、疑義は監督員・発注者にご確認ください。</small>