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作業日報の保存期間は何年?|労働基準法・建設業法の根拠と実務の目安

公開日: 2026-08-03 直感日報 編集部

この記事でわかること
- 作業日報の保存期間の結論(労働基準法 109 条の 5 年・当分の間 3 年)と根拠条文
- ネットの記事で「3 年」と「5 年」の説が割れている理由
- 建設業の帳簿 5 年・営業に関する図書 10 年と作業日報の関係、起算日の数え方

事務所の棚で毎年増えていく作業日報の綴りを前に、「これ、いつまで取っておけばいいのか」と迷ったことはないでしょうか。調べてみると「3 年」と書いてある記事と「5 年」と書いてある記事の両方が見つかり、かえって分からなくなる——というのがこのテーマの実情です。

先に結論を言うと、作業日報そのものを名指しで「何年保存せよ」と定める法律はありません。ただし、労働時間の記録を含む作業日報は労働基準法第 109 条の対象になり得るため、5 年(当分の間は 3 年)が基本の目安になります。この記事では、e-Gov 法令検索・厚生労働省・国土交通省の一次資料だけを根拠に、保存期間の結論と「説が割れる理由」、建設業での扱い、実務での決め方を整理します。

作業日報の保存期間は何年?——結論と早見表

作業日報の保存期間は、労働時間の記録を含む場合で労働基準法第 109 条の「5 年間(当分の間は 3 年間)」、建設業の帳簿に関わる場合で 5 年(住宅新築工事に関するものは 10 年)が目安です。

保存期間とは、法令が書類ごとに定める「廃棄せずに備えておかなければならない期間」のことです。作業日報は複数の法令の対象に「なり得る」書類のため、まず全体像を早見表で押さえるのが近道です。

書類・場面根拠保存期間
労働時間の記録を含む書類(出勤簿、労働者が自ら労働時間を記録した報告書など)労働基準法第 109 条5 年(当分の間は 3 年)
建設業の帳簿(請負契約・検査・引渡しの記録)建設業法第 40 条の 3・同法施行規則第 28 条5 年(住宅新築工事に関するものは 10 年)
建設業の営業に関する図書(完成図・発注者との打合せ記録・施工体系図)建設業法第 40 条の 3・同法施行規則第 28 条10 年(目的物の引渡しから起算)
作業日報そのもの名指しの規定なし記載内容が上記に該当するかで判断。実務は 5 年で揃えるのが安全側

(出典: e-Gov 法令検索「労働基準法」「建設業法」、国土交通省 中部地方整備局「建設業法 Q&A」、いずれも 2026 年 8 月 3 日確認)

作業日報の保存期間の早見図。労働時間の記録を含む日報は労働基準法109条で5年(当分の間は3年)、建設業の帳簿は建設業法40条の3で5年(住宅新築は10年)、営業に関する図書は10年(引渡しから起算)、作業日報そのものを名指しする規定はなく実務は5年で揃えるのが安全側

それぞれの根拠を、条文ベースで順に確認していきます。

作業日報の保存を義務付ける法律はある?

「作業日報」という書類名を直接挙げて作成や保存を義務付ける法律はありません。ただし、記載内容によっては労働基準法第 109 条の「その他労働関係に関する重要な書類」に該当します。

労働基準法第 109 条は、次のように定めています。

使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない。(労働基準法第 109 条、e-Gov 法令検索・2026 年 8 月 3 日確認)

この「その他労働関係に関する重要な書類」の中身について、厚生労働省「改正労働基準法等に関するQ&A」(令和 2 年 4 月 1 日)は、出勤簿やタイムカード等の記録に加えて「労働者が自ら労働時間を記録した報告書」を例示しています。誰が・何時から何時まで・どの作業に就いたか——つまり出面や実働時間が書かれた作業日報は、まさにこの「労働者が自ら労働時間を記録した報告書」に当たり得る書類です。

逆に、作業内容のメモや所感だけで労働時間の記録を含まない日報であれば、第 109 条の対象とは言い切れません。とはいえ現場系の作業日報は人員と実働をセットで書くのが普通なので、該当する前提で保存ルールを決めておくのが実務的です。日報にどんな項目を持たせるかの基本は現場日報の書き方の記事で整理しています。

保存期間は 3 年と 5 年どちらが正しい?——説が割れる理由

条文上の保存期間は「5 年間」で、附則第 143 条の経過措置により当分の間は「3 年間」と読み替えられています。3 年説と 5 年説はどちらにも条文の根拠がある、というのが正確な答えです。

労働基準法の附則第 143 条は次のとおりです。

第百九条の規定の適用については、当分の間、同条中「五年間」とあるのは、「三年間」とする。(労働基準法附則第 143 条、e-Gov 法令検索・2026 年 8 月 3 日確認)

経緯を整理すると、2020 年(令和 2 年)4 月 1 日施行の改正で、賃金請求権の消滅時効が 2 年から 5 年(当分の間は 3 年)に延長されたことに合わせて、記録の保存期間も 3 年から 5 年(当分の間は 3 年)へ延長されました(厚生労働省「改正労働基準法等に関するQ&A」)。つまり——

  • 本則: 5 年間(2020 年 4 月 1 日以降)
  • 経過措置: 当分の間は 3 年間。この「当分の間」がいつ終わるかは現時点で決まっていません

解説記事によって 3 年・5 年の記載が割れているのは、この二段構えのどちらを取り上げているかの違いによるものです。廃棄ルールを社内で決めるなら、経過措置の終了にそのまま備えられる「5 年」で揃えておくのが安全側といえます。

保存期間はいつから数える?——起算日は「記録の完結の日」

保存期間の起算日は日報を「書いた日」ではなく「記録の完結の日」で、その記録に係る賃金の支払期日が完結の日より遅い場合は、支払期日から数えます。

起算日の考え方は厚生労働省の同 Q&A(Q2-3)で明確化されています。労働時間の記録を含む書類は賃金計算の裏づけになるため、記録として書き終わった日ではなく、対応する賃金の支払いが済む日まで含めて「完結」と扱う構造です。

作業日報でいえば、たとえば月末締め・翌月 25 日払いの会社で 4 月分の日報綴りを保存する場合、起算日は 4 月 30 日ではなく 5 月 25 日となり、そこから 5 年(当分の間 3 年)を数えます。「書いた日から数えるより保存終了が後ろにずれる」ことだけ覚えておくと、廃棄予定の管理で迷いません。

建設業の作業日報は何年保存する?——帳簿 5 年・図書 10 年との関係

建設業では、建設業法第 40 条の 3 により営業所ごとの帳簿の備え付けと保存が義務付けられており、帳簿は 5 年(住宅新築工事に関するものは 10 年)、営業に関する図書は 10 年が保存期間です。

建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その営業所ごとに、その営業に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え、かつ、当該帳簿及びその営業に関する図書で国土交通省令で定めるものを保存しなければならない。(建設業法第 40 条の 3、e-Gov 法令検索・2026 年 8 月 3 日確認)

具体的な期間は建設業法施行規則第 28 条が定めており、国土交通省の資料では次のように整理されています(中部地方整備局「建設業法 Q&A 問 19」・東北地方整備局「建設業法令遵守ハンドブック【ポイント編】」、2026 年 8 月 3 日確認)。

  • 帳簿: 保存期間 5 年。請け負った工事の名称・現場所在地、契約日、検査完了日、引渡し日などを記載。発注者と締結した住宅新築工事に関するものは 10 年
  • 営業に関する図書: 保存期間 10 年(目的物の引渡しから起算)。完成図、発注者との打合せ記録、施工体系図など

作業日報そのものは、この帳簿でも図書でもありません。ただし、帳簿に記載する検査や引渡しの事実、下請との出面精算などを日次で裏づける記録として、引渡し後の問い合わせや精算確認の場面で参照されることがあります。そのため施工の現場では、作業日報も帳簿と同じ 5 年で揃えて保存し、工事単位で紐づくものは引渡し日を基準に整理する運用が実務的です。

作業日報の保存でよくあるつまずき

つまずきの多くは、期間そのものより「数え方」と「保存の形」に集中します。

  • 「3 年たったら廃棄」を固定ルールにしている — 3 年は経過措置の数字であり、本則は 5 年です。「当分の間」の終了時期は未定のため、廃棄基準を 3 年に固定すると、見直しのたびにルールを作り直すことになります
  • 起算日を「書いた日」で数えている — 完結の日・賃金支払期日基準では、実際の保存終了は書いた日基準より後ろにずれます。綴り単位・月単位で「対応する賃金支払日 + 5 年」と整理しておくと確実です
  • 紙の綴りのまま 5 年分を抱えている — 5 年分の日報は物量が大きく、「先々月の◯◯現場の日報」を探すだけで綴りをめくる時間がかかります。保存義務は果たせても、記録として使えない状態になりがちです。数値の再利用まで考えるなら、日報集計の自動化の記事で紹介している「入力の時点でデータとして持つ」形が近道です
  • 廃棄のしかたが雑になっている — 作業日報には氏名や実働時間などの個人情報が含まれます。保存期間を過ぎて廃棄する際は、裁断や溶解処理など、中身が読めない形で処分するのが基本です

保存に耐える形で日報を貯めるなら——直感日報の場合

現場の作業日報を「保存に耐える記録」として貯める方法の一つに 直感日報 があります。スマホから提出した日報がそのままデータとして蓄積され、過去の記録は現場名やキーワードで検索できるため、保存年数が延びても「探せない綴りの山」になりません。出面・実働などの数値は設定ゼロで自動集計され、CSV でいつでも手元に書き出せるので、保存すべき記録を自社の外に持ち出せなくなるロックインも起きません(書き出したデータの使い道は日報 CSV エクスポートの記事にまとめています)。

日報がデータとして貯まっていく感覚は、クレジットカード不要の 14 日間無料トライアルで実際の画面から確かめられます。

まとめ

  • 作業日報を名指しで義務付ける法律はないが、労働時間の記録を含めば労働基準法第 109 条の「5 年(当分の間 3 年)」の対象になり得る
  • 3 年説と 5 年説が割れるのは、本則 5 年と経過措置 3 年の二段構えをどちらから見るかの違い。廃棄ルールは 5 年基準が安全側
  • 起算日は書いた日ではなく「記録の完結の日」、賃金支払期日が遅ければ支払期日
  • 建設業は帳簿 5 年(住宅新築工事 10 年)・営業に関する図書 10 年。作業日報は帳簿の記載を裏づける記録として同じ 5 年で揃えると整理しやすい
  • 最小アクション: 今の日報綴りに「対応する賃金支払日 + 5 年」の廃棄予定を書き入れるところから

よくある質問

Q. 作業日報の保存期間は 3 年と 5 年、結局どちらですか?
A. 労働基準法第 109 条の本則は 5 年間で、附則第 143 条の経過措置により当分の間は 3 年間とされています。どちらも条文上の根拠がある数字ですが、経過措置の終了時期が未定のため、社内ルールは 5 年で揃えておくと見直しの手間がありません。

Q. 建設業の「営業に関する図書」の 10 年はいつから数えますか?
A. 当該建設工事の目的物の引渡しをしたときから起算して 10 年間です(建設業法施行規則第 28 条)。対象は完成図・発注者との打合せ記録・施工体系図などで、帳簿(5 年、住宅新築工事に関するものは 10 年)とは対象書類と期間が別に定められています。

Q. 保存期間を過ぎた作業日報は廃棄してもいいですか?
A. 法令上の保存義務は期間の満了で終わるため、廃棄すること自体は問題ありません。ただし氏名や実働時間などの個人情報を含むため、裁断・溶解など中身が読めない方法で処分してください。過去のトラブル対応や作業ノウハウの記録として、期間経過後も検索できる形で残しておく判断も一つの選択肢です。

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この記事は直感日報 編集部が提供しています。

<small>※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としており、法的助言ではありません。保存義務の個別の判断は、各社の社内規程・取引先との契約と関係法令を優先し、必要に応じて社会保険労務士・行政書士等の専門家にご確認ください。</small>