← 日報の書き方・運用ガイド建設・施工現場の日報

現場発生品調書の書き方|誰が・いつ出すかと支給材料の受払簿まで

公開日: 2026-08-22 直感日報 編集部

この記事でわかること
- 現場発生品調書は現場代理人が作成し、監督職員を通じて発注者に提出する書類であること
- 提出は「発生の日」(京都府)「発生時」(福島県)で、工事の終わりにまとめて出すものではないこと
- 現場発生品と建設副産物は共通仕様書の別の条にあり、現場発生品に条文が求めているのは監督職員への引渡しであること
- 受領書・借用書の「〇日以内」は標準約款では空欄で、発注者が契約で埋める数字であること
- 受払簿は「常に残高を明らかに」しておく帳簿で、様式は発注者の定めによること

現場発生品調書は現場代理人が書いて監督職員に出す — 提出は発生の日【早見表】

現場発生品調書は、現場代理人が作成し、監督職員を通じて発注者に提出する書類です。撤去したガードレールや標識が出てきたとき、そのまま処分場へ運んでよいのか、それとも発注者に返すものなのか。誰がいつ出すのかは、様式そのものではなく発注者が配る提出書類一覧の側に書かれています。早見表を先に置き、現場発生品の切り分け、調書の書き方、受領書・借用書、受払簿、工事の終わりの精算まで順に整理します。

表は横にスワイプできます(最初の列は固定表示)→

書類作成するのはあて名・提出先いつ根拠
現場発生品調書現場代理人監督職員を通じて発注者発生の日(京都府)/発生時(福島県)共通仕様書 1-1-1-21 1.
支給材料受領書現場代理人監督職員引渡しの日から〇日以内(京都府・福島県はともに 7 日以内)約款 第 15 条第 3 項
貸与品借用書現場代理人監督職員引渡しの日から〇日以内(同上)約款 第 15 条第 3 項
受払簿(帳簿)受注者備え付ける(提出先の定めは発注者による)常に残高を明らかにしておく共通仕様書 1-1-1-20 2.
支給品精算書(土木)受注者監督職員を通じて発注者工事完成時(工程上可能ならその時点)共通仕様書 1-1-1-20 3.

作成者・あて名・提出期限は京都府 工事関係提出書類一覧の様式12(支給材料受領書・貸与品借用書)と様式13(現場発生品調書)に沿っています(京都府 工事関係提出書類一覧・更新 2022-03-31・2026-08-21 確認)。様式の名称も番号も発注者ごとに違います。同じ 3 種類を、福島県は支給品受領書 第13号様式・貸与品借用書 第17号様式・現場発生品調書 第29号様式として配布しています(福島県 県発注工事における提出書類・2026-03-23 更新・2026-08-21 確認)。様式番号は当該工事の提出書類一覧で先に押さえてください。

現場発生品とは — 建設副産物・産業廃棄物と何が違うのか

共通仕様書がいう工事現場発生品とは、工事現場で発生したもののことで、設計図書に定められたもの、および監督職員が引渡しを指示したものは、監督職員に引き渡して現場発生品調書を提出します。撤去したものはすべて産業廃棄物として処理すればよい、と考えていると、この引渡しの手続が抜け落ちます。切り分けの根拠は条の分かれ方。関東地方整備局 土木工事共通仕様書(令和 8 年 3 月改定)は、工事現場発生品と建設副産物を別の条に置いています(関東地方整備局 土木工事共通仕様書 第 1 編 共通編・2026-08-21 実読)。

共通仕様書の条何についての定めか受注者がすること
1-1-1-20 支給材料及び貸与品発注者から支給・貸与された物の管理受払簿の備付け/受領書・借用書/支給品精算書/流用の禁止
1-1-1-21 工事現場発生品工事現場で発生したものの引渡し監督職員に引き渡し、現場発生品調書を作成して提出
1-1-1-22 建設副産物掘削発生材の取扱いと産業廃棄物監督職員との協議・承諾/マニフェストで適正処理を確かめて提示

読みどころは 2 点です。

  • 現場発生品に条文が求めているのは「引き渡すこと」。1-1-1-21 1. は「設計図書または監督職員の指示する場所で監督職員に引き渡す」と定めており、受注者の判断での処分は前提にされていません
  • 支給材料・貸与物件の所有権は発注者に属する(1-1-1-20 9.)。管理しているのは受注者でも、持ち主は発注者になります

隣の 1-1-1-22 が扱うのは、掘削発生材を工事に用いる場合の協議と、産業廃棄物のマニフェストによる確認・提示です(発生土や再生資源の計画書の側は再生資源利用促進計画書の書き方の記事へ)。つまり「撤去したものは全部廃棄物か」への答えは、設計図書に現場発生品として定められているか、監督職員が引渡しを指示したかで扱いが分かれる。現場だけで決め切らないところに、この条文の実務的な意味があります。

現場発生品調書の書き方 — 何を書き、いつ・誰に出すのか

現場発生品調書は、現場発生品を監督職員に引き渡すのとあわせて作成し、監督職員を通じて発注者に提出します。1-1-1-21 1. が定める手順は 3 つに分かれています。

支給材料・貸与品・現場発生品の受払サイクル。①発注者が支給材料・貸与品を引き渡す(品名・数量・品質・規格/性能・引渡場所・引渡時期は設計図書による)②監督職員(約款の表記は監督員)が受注者の立会いの上、発注者の負担で検査して引き渡す ③受注者が引渡しの日から〇日以内に受領書・借用書を提出する(京都府・福島県はともに 7 日以内)④受注者が受払簿を備え付けて受入・払出・残高を常に明らかにする(他工事への流用は禁止・善良な管理者の注意で管理)⑤現場発生品が出たら監督職員に引き渡し、あわせて現場発生品調書を作成して提出する(京都府は発生の日、福島県は発生時)⑥工事完成時に支給品精算書を提出し、不用となった支給材料・貸与品を返還する(返還が完了するまで損失に対する責任は続く)

  • 設計図書または監督職員の指示する場所で、監督職員に引き渡す。引渡しが先で、書類だけを出して終わりにはなりません
  • 現場発生品調書を作成する。引渡しと「あわせて」作成する、と条文は書いています
  • 監督職員を通じて発注者に提出する。京都府の一覧では、作成者は現場代理人、あて名は監督職員です

提出のタイミングは、発注者の一覧に具体的な言葉で書かれています。京都府の様式13 は提出期限が「発生の日」、福島県の第29号様式は提出時期が「発生時」です。福島県は根拠を共通仕様書の「1-1-21 第1項」と明記しています(同じ規定を関東地方整備局は 1-1-1-21 と表記します。条項番号は発注者ごとに違うため、当該工事の設計図書が指定する版で確かめてください)。工事の終わりにまとめて作る書類ではありません。記載事項までは共通仕様書が定めていないので、何をどの欄に書くかは配布された様式で確認します

見落としやすいのが、設計図書に載っていないものが出てきた場合です。1-1-1-21 2. は、第1項以外のものが発生したときは「監督職員に連絡し、監督職員が引き渡しを指示したものについては」同じように引き渡して調書を作成し提出する、と定めます。連絡が先、引渡しの指示が次、調書はそのあと。出た日にその場で処分してしまうと、この 3 手が成立しません。

では、逆に発注者から物を受け取ったときは、何を出すのでしょうか。

支給材料・貸与品を受け取ったら — 受領書・借用書は「引渡しの日から〇日以内」

支給材料または貸与品の引渡しを受けたときは、受注者は引渡しの日から〇日以内に、発注者に受領書または借用書を提出します。公共工事標準請負契約約款(改正 令和 7 年 12 月 2 日)第 15 条第 3 項の定めです(国土交通省 公共工事標準請負契約約款・2026-08-21 実読。令和 8 年 2 月 25 日付の正誤表もあわせて確認しており、第 15 条に訂正はありません)。

引渡しの前後の手続も同じ条にあります。品名・数量・品質・規格又は性能・引渡場所・引渡時期は設計図書に定めるところによる(第 1 項)ので、支給・貸与の中身は現場で決めるものではありません。引渡しにあたっては監督員が受注者の立会いの上、発注者の負担で検査します(第 2 項)。定めと異なる、または使用に適当でないと認めたときは、受注者が直ちに発注者に通知します。第 2 項の検査では発見が困難だった不適合を引渡し後に見つけたときも同じです(第 4 項)。

さて、肝心の「〇日以内」です。標準約款の第 15 条第 3 項は日数が空欄のままで、実際の日数は発注者が契約で埋めます。京都府の様式12 は「引渡の日から 7 日以内」、福島県の第13号様式・第17号様式は「引渡しを受けた日から 7 日以内」で、根拠は約款第15条第3項。2 つの発注者がともに 7 日を採っているという事実であって、法律が 7 日と定めているわけではありません。自分の工事の日数は契約書で確かめてください。

受払簿には毎日何を書くのか — 「常に残高を明らかに」の意味

受注者は、支給材料及び貸与品の受払状況を記録した帳簿を備え付け、常にその残高を明らかにしておかなければなりません(1-1-1-20 2.)。条文の要求は「記録すること」ではなく「常に残高が明らかであること」で、書き方の重心はここにあります。受け入れた数量と払い出した数量が、そのつど記録に載っている必要がある。月末にまとめて思い出す運用では、月の途中のどの時点でも残高が言えません。「常に」という語が、記録の頻度を実質的に決めています

帳簿が求められる理由は、同じ条の後ろのほうに並んでいます。

  • 他の工事に流用してはならない(1-1-1-20 8.)。どの工事の材料がいくつ残っているかが分からなければ、流用していないことを示せません
  • 所有権は発注者に属する(同 9.)。預かっている物なので、数が合うことに意味があります
  • 善良な管理者の注意をもって管理する(約款 第 15 条第 8 項、共通仕様書 1-1-1-20 1.)。修理等は事前に監督職員の承諾を得ます(同 7.)

様式には注意が要ります。共通仕様書が定めているのは帳簿の備付けと残高の明示までで、受払簿の様式は発注者の定めによります。これも提出書類一覧で確かめる項目です。

受払簿の払出欄を毎日埋められるかどうかは、その日使った数量が手元に残っているかで決まります。

日報、「書くのも読むのも」いちばん速くスマホから 15 秒で提出、集計は設定ゼロ。400 円/人/月・14 日間無料トライアル(クレジットカード不要)。無料で 14 日試す →

使いながら残高を追いかけていくと、次は工事の終わりの話になります。

工事の終わりにやること — 支給品精算書と不用品の返還

工事完成時には、土木工事では支給品精算書を、港湾工事及び空港工事では支給材料精算書を、監督職員を通じて発注者に提出します(1-1-1-20 3.)。「完成前に工事工程上、支給材料の精算が可能な場合は、その時点。」という括弧書きもあり、完成を待たずに精算する場合も想定されています。

不用になったものは返します。約款 第 15 条第 9 項は、工事の完成・設計図書の変更等によって不用となった支給材料または貸与品を発注者に返還すると定め、共通仕様書 1-1-1-20 6. は返還にあたり監督職員の指示に従うとしたうえで、こう続けます。「受注者は、返還が完了するまで材料の損失に対する責任を免れることはできないものとする」。搬出した時点ではなく、返還の完了までが受注者の責任範囲です。

滅失やき損の扱いも同じ条にあります。第 10 項は、故意または過失により滅失もしくはき損し、または返還が不可能となったときは、発注者の指定した期間内に代品を納め、原状に復して返還し、または損害を賠償する、と定めます。精算書の数量が受払簿の積み上げと合っていることが、この場面の説明の土台です(数量を月次で報告する側は出来高報告書の書き方の記事へ)。

ここまでは契約図書に書いてある手続です。では、そのルールはどこから来ているのでしょうか。

そもそも誰が決めたルールなのか — 建設業法・約款・共通仕様書・発注者様式の四層

支給材料・貸与品と現場発生品の手続は、建設業法から発注者の様式まで四層でつながっています。どの層を見ているかが分かると、条項番号が発注者ごとに違っても迷わなくなります。

何が定められているか
法律建設業法 第 19 条第 1 項第十号 — 契約の締結に際して書面に記載すべき事項として「注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め」
契約約款公共工事標準請負契約約款 第 15 条(支給材料及び貸与品)全 11 項 — 設計図書による特定、引渡し時の検査、受領書・借用書、善管注意、返還、滅失き損時の措置
共通仕様書1-1-1-20 支給材料及び貸与品(受払簿・精算書・流用禁止・所有権)/ 1-1-1-21 工事現場発生品(引渡しと現場発生品調書)
発注者の様式京都府 様式12・様式13 / 福島県 第13号・第17号・第29号様式(提出期限つき)

建設業法の条文は e-Gov の現行施行版で確認しています(e-Gov 法令検索 建設業法・2025-12-12 施行版・2026-08-21 確認)。支給・貸与があるならその内容と方法を契約書に書け、というのが法律の要求で、様式や提出期限は法律に書かれていません。四層がつながっていることは発注者の側も示しており、福島県は受領書・借用書の根拠に「約款第15条第3項」、調書の根拠に「1-1-21 第1項」と自ら明記しています。同じ規定でも条項番号の表記は発注者によって違い、関東地方整備局が 1-1-1-21 と書く規定を福島県は 1-1-21 と表記します。番号は当該工事の設計図書が指定する版で照合してください。

下請や一人親方では、根拠が別の約款になります。建設工事標準下請契約約款(改正 令和 7 年 12 月 2 日)第 14 条第 5 項は「下請負人は、支給材料及び貸与品を善良な管理者の注意をもって、使用及び保管し」、滅失き損や返還不能のときは原状回復・代品・損害賠償によると定めます(国土交通省 建設工事標準下請契約約款・2026-08-21 実読)。ただし受払簿・受領書・現場発生品調書の定めは、下請約款にはありません

保存年限はこの記事では断定しません。調書や受払簿が建設業法上のどの図書に当たるかは解釈の問題だからです(日報側の整理は作業日報の保存期間の記事へ)。同じ書類群の段階確認書・工事履行報告書は、京都府の一覧では様式7・様式11 です(段階確認書の記入例の記事工事履行報告書の書き方の記事)。

日々の記録から受払と発生数量を残す

弊社が提供する直感日報は日報の記録・数値集計・CSV エクスポートを行うツールであり、現場発生品調書・支給材料受領書・貸与品借用書・支給品精算書といった様式の作成や提出、受払簿の作成、残高や精算額の計算、監督職員への通知や電子的な受け渡し、資材の在庫管理・発注・購買・原価計算はできません。また、勤怠管理・打刻・賃金計算の機能もありません。様式と提出方法は発注者ごとに定められており、記入と提出は受注者、受領と確認は監督職員が行うものです。

担うのは、その日どの支給材料をどれだけ使い、何がどれだけ発生したかを毎日残し、調書や受払簿を書くときの照合原本を作るところまでです。受払簿の払出欄は、その日使った数量からしか埋まりません。調書の提出時期が「発生の日」「発生時」である以上、発生数量も出た日に押さえておくことになります。数値項目は設定ゼロで自動集計され、CSV エクスポートで期間分を一覧にできます。

よくある質問

Q1. 現場発生品調書は誰が書いて、いつ出すのですか?

現場代理人が作成し、監督職員を通じて発注者に提出します。提出期限は京都府が「発生の日」、福島県が「発生時」です。

Q2. 設計図書に載っていないものが出たらどうしますか?

まず監督職員に連絡してください。1-1-1-21 2. は、監督職員が引き渡しを指示したものについて、指示する場所で引き渡すとともに調書を作成して提出すると定めます。

Q3. 現場発生品と産業廃棄物は同じものですか?

共通仕様書では別の条です。1-1-1-21 が工事現場発生品の引渡しと調書を、1-1-1-22 が建設副産物と産業廃棄物のマニフェストによる確認を定めています。

Q4. 支給材料の受領書はいつまでに出しますか?

標準約款 第 15 条第 3 項は「引渡しの日から〇日以内」で日数は空欄です。京都府・福島県はともに 7 日以内としています。

Q5. 受払簿に決まった様式はありますか?

共通仕様書が定めているのは、帳簿を備え付けて常に残高を明らかにすることまでです。様式は発注者の定めによります。

Q6. 支給材料を別の現場で使ってもよいですか?

1-1-1-20 8. は「受注者は、支給材料及び貸与物件を他の工事に流用してはならない」と定めています。所有権も発注者に属します(同 9.)。

Q7. 下請でも受払簿や調書は必要ですか?

建設工事標準下請契約約款 第 14 条に受払簿・受領書・調書の定めはありません。善管注意での使用・保管と、滅失き損時の原状回復・代品・賠償は同じです。

まとめ: 現場発生品調書は「出た日に押さえる」書類

  • 現場発生品調書は現場代理人が作成し、監督職員を通じて発注者に提出する。提出は京都府が発生の日、福島県が発生時
  • 現場発生品と建設副産物は共通仕様書の別の条。条文が求めているのは監督職員への引渡しで、受注者の判断での処分ではない
  • 設計図書に載っていないものが出たときは監督職員への連絡が先。引渡しの指示を受けたものについて調書を作る
  • 受領書・借用書の「〇日以内」は標準約款では空欄。京都府・福島県はともに 7 日以内で、法律が 7 日と定めているわけではない
  • 受払簿は「常に残高を明らかに」しておく帳簿。流用禁止と所有権の定めが、数が合っていることを求めている
  • 工事完成時は支給品精算書(土木)と不用品の返還。返還が完了するまで損失に対する責任は続く

まずは提出書類一覧で様式番号と日数を確認してください。あとは使った数量と出たものを毎日 1 行残しておけば、記入は転記で済みます。

関連記事


日報が「書くのも読むのも」速くなる。スマホから 15 秒で提出、集計は設定ゼロ。クレジットカード不要で 14 日間試せます。無料で 14 日試す →400 円/人/月・最低 5 名から

※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としています。現場発生品調書・受領書・借用書・受払簿・精算書の様式、条項番号、提出時期、提出先は発注者ごとに異なり、共通仕様書は毎年改定されて条項番号が動きます。実際の工事では当該工事の契約書・設計図書・特記仕様書・提出書類要領と現場ルール・関係法令を優先し、疑義は監督職員・発注者にご確認ください。