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安全パトロールの指摘事項の例|根拠条文つき12例と是正の残し方

公開日:  直感日報 編集部 約 10 分で読めます

安全パトロールの指摘事項の例|根拠条文つき12例と是正の残し方

安全パトロールの指摘事項は、「どこで・何を・どうすること」の 1 文に根拠の条文を 1 つ添えると、受けた側が是正の中身を迷いません。記録は指摘した日と是正を確かめた日の 2 回で、どちらも巡視した人の日報の明細に 1 行ずつ残します。

この記事でわかること
- 安衛則 637 条 1 項は、安衛法 30 条 1 項 3 号の巡視を、特定元方事業者(元請)が「毎作業日に少なくとも一回」行うよう定めている(労働安全衛生規則 第637条・e-Gov・2026-10-26 確認)
- 宮城県の是正指導事例集は、指摘事項を「〜すること」の形で書き、解説に労働安全衛生規則などの条文を添え、是正前と是正後の写真を並べている(宮城県「監督員のための安全衛生管理の手引き」5. 現場安全点検における是正指導事例集・2026-10-26 確認)
- 厚生労働省の資料が引く建災防の手引きは、巡視の結果を工事日誌や安全日誌に書き、作業の即時停止等が要るもの以外の改善や指示の事項は翌日の安全工程打合会で扱い、改善指示書などで指示するとしている(厚生労働省「特定元方事業者による作業場所の巡視について」が引く建設業労働災害防止協会の手引き・2026-10-26 確認)
- 直感日報の明細は、1 つにつき列を文章・数値・選択の 3 種から 6 列まで、行を 30 行まで置け、数値の列は日ごとの合計として集計に並ぶ(直感日報の製品の仕様・2026-10-26 確認)

指摘事項は「どこで・何を・どうすること」の 1 文で書く — 根拠条文を 1 つ添える⁠

指摘事項は、場所と直させる物とその直し方を 1 文に入れ、根拠になる条文を 1 つ添えて書きます。

「開口部 危険」のように危ない箇所だけを書いた指摘では、受けた側は何をすれば直ったことになるかを決められません。同じ開口でも「2 階床の配管用の開口に覆いを戻し、ずれないよう固定すること」と書けば、直す物と直し方が 1 文で伝わります。

宮城県 土木部の是正指導事例集も、場所を書き込む点を除けば、この形をとっています。事例ごとに「指摘事項」を「〜すること」で結び、「解説」に条文を引き、是正前と是正後の写真を並べています(宮城県「監督員のための安全衛生管理の手引き」5. 現場安全点検における是正指導事例集・2026-10-26 確認)。

条文を添えるのは、受けた側が是正の中身と範囲を、条文の条件(高さ・深さ・足場の種類など)で確かめられるようにするためです。これは当社の整理です。

毎作業日の元請の巡視(安衛則 637 条 1 項)も、指摘を書く場面の 1 つです。巡視の主体ごとの回数と記録の定めの有無は、巡視の 5 つの条文を並べた安全パトロールの記事に譲ります。

その記事の質問にある 3 つの重点は巡視で見る観点で、本記事の 4 区分は指摘を危険の種類で分けた例です。

指摘事項の例 12 — 4 区分の例文と根拠の条文【表】⁠

例は墜落・重機・崩壊と落下・通路と床と電気の 4 区分に 3 つずつで、どれも「〜すること。」の 1 文に根拠の候補の条番号を付けています。

設定は、外部に単管の本足場とわく組足場を組んだ 4 階建ての新築工事です。敷地内では設備の配管の溝を掘り、小型のバックホウを使います(現場・場所・数値は架空の例です)。

区分・場所(架空)指摘事項根拠(安衛則)
① 墜落|2 階床の配管用の開口(下まで 3m 超)外れた覆いを開口に戻し、ずれないよう固定すること。519 条 1 項
② 墜落|単管の本足場(わく組以外)高さ約 5m の床作業の後も外したままの中桟を、直ちに元に戻すこと。563 条 1 項 3 号ロ・5 項
③ 墜落|配管の溝(深さ約 1.8m)での作業溝に下りて作業する間、昇降用のはしごを掛けておくこと。526 条 1 項
④ 重機|旋回する小型バックホウの周り(誘導者なし)旋回の範囲をコーンとバーで囲い、立入禁止を表示すること。158 条 1 項
⑤ 重機|雨の後の仮設道路の路肩(バックホウが通る)崩れかけた路肩を補強し、通るのに要る幅を保つこと。157 条 1 項
⑥ 重機|昼休みに運転位置を離れたバックホウバケットを地上に下ろし、原動機を止め、走行ブレーキをかけること。160 条 1 項
⑦ 崩壊|配管の溝の掘削(側面が崩れるおそれ)次に掘り進める前に、土止め支保工を設けること。361 条
⑧ 落下|3 階から資材を下ろす真下の通路下ろしている間は真下を立入区域にし、表示すること。537 条
⑨ 落下|わく組足場 高さ約 8m の床の端(真下が通路)物が落ちないよう、高さ 10cm 以上の幅木等を付けること。563 条 1 項 6 号
⑩ 通路|1 階の主要な通路(搬入した資材でふさがる)資材を置き場へ移して通路を空け、通路の表示を戻すこと。540 条 1 項・2 項
⑪ 床|2 階の床(延長コードが通り道を横切る)床を横切るコードを壁際に寄せ、上から養生すること。544 条
⑫ 電気|架空電線の近くで移動式クレーンの荷揚げ電線に絶縁用防護具を装着してから、荷揚げを始めること。349 条 3 号
  • 墜落 — 戻した覆い・中桟・はしごを固定の具合まで撮り、その場所の次の作業の前に確かめる
  • 重機 — 囲いと表示、補強した路肩、下ろしたバケットを撮り、機械が次に動く前に確かめる
  • 崩壊・落下 — 土止め支保工、立入区域の表示、幅木等を撮り、掘り進める前と下ろす前に確かめる
  • 通路・床・電気 — 空けた通路、養生したコード、防護具を撮り、通路と床はその日のうちに、電線は荷揚げの前に確かめる

表の条文の主語はどれも「事業者」で、指摘を受けた協力会社の職長個人の義務ではありません。条件も条文ごとに違い、519 条は高さ 2 メートル以上の作業床の端や開口部、526 条は高さか深さが 1.5 メートルを超える箇所です。

563 条 1 項は一側足場を対象から除き、3 号でわく組足場とそれ以外の足場の設備を分けています。526 条は作業の性質上著しく困難なとき、158 条は誘導者に誘導させるときを除き、563 条 1 項 6 号にも立入区域を設定したときなどのただし書きがあります。

表の条番号は根拠の候補で、現場の状況が条件に当たるかは条文で確かめて書き添えます(労働安全衛生規則 第157条ほか表の各条・e-Gov・2026-10-26 確認)。

では、書いた指摘をどこに残し、いつ閉じるのか。

指摘を日報の明細に残す型 — 指摘した日と、是正を確かめた日の 2 行⁠

指摘は巡視した日に明細の 1 行で書き、是正を確かめた日に同じ指摘をもう 1 行書いて閉じます。

「是正済」に直せば記録は閉じると思われがちですが、日報の明細は日ごとに別の行で、後日の行と自動ではつながりません。

是正の残し方は、巡視した人の日報に次の 6 列の明細を足す形です。

  • 場所(文章)— 「2 階床 東側の配管開口」のように、後で探すときの語で書く
  • 指摘事項(文章)— 表の 1 文か、その要点を写す。区分を残すなら書き出しに「墜落:」と入れる
  • 是正期限(文章)— 「10/28 午前」のように書く(日付の型の列は無い)
  • 状態(選択)— 「未是正」「是正済」の 2 つから選ぶ
  • 指摘(数値・件)— 指摘した日の行に 1 を入れる
  • 是正(数値・件)— 是正を確かめた日の行に 1 を入れる

6 列は 1 つの明細に置ける上限なので、この組み方では区分の列は足せません。文章の列と状態で選んだ名前は検索に掛かり、数値の列は検索の対象外です。

数値の列は、数の入ったセルだけを足した合計が、マネージャーと管理者の開く集計で日ごとの系列になり、指摘と是正の件数が 2 本並びます。「未是正」を選んだ行の数は集計されないため、件数は数値の列で持ちます。

指摘した日の明細 1 行(未是正・指摘 1・是正前の写真)と、是正を確かめた日の明細 1 行(是正済・是正 1・是正後の写真)を左右に並べ、「未是正」で探して場所の語で 2 行を突き合わせることを示した図

表の ① を 10 月 27 日の巡視で指摘し、期限を翌日の午前にすると次の 2 行です(日付は架空)。

  • 指摘した日(10 月 27 日) — 場所・指摘事項・期限を書き、状態は「未是正」、指摘に 1、是正は空。写真の項目に是正前を撮る
  • 是正を確かめた日(10 月 28 日) — 同じ場所と指摘事項を書き直し、状態は「是正済」、指摘は空、是正に 1。写真の項目に是正後を撮る
  • その場で直った指摘 — 指摘した日の 1 行で「是正済」にし、指摘と是正に 1 ずつ

明細は前の日の行を持ち越さないので、確かめた日の行は書き直します。

期限より前に見に行って直っていなければ、その日は行を書かずに期限の日を待ちます。期限の日に直っていなければ、同じ指摘を「未是正」で書き直して新しい期限を入れ、指摘の列は空にして二重に数えません。

件数は場所 1 か所を 1 件と数えるので、同じ指摘が 3 か所にあれば、指摘した日から場所ごとに 3 行に分け、指摘に 1 ずつ入れます。2 か所だけ直った日は、その 2 行を「是正済」で書き、残る 1 か所は「未是正」で書き直します。

指摘が 0 件の日は明細を空けて文章の項目に「指摘なし」と書き、その日の件数は集計に入りません。

この 6 列の明細と日ごとに並ぶ 2 本の件数は、直感日報(建設・店舗など現場チーム向けの日報管理サービス)でそのまま組めます。巡視した人のテンプレートに明細を 1 つ足し、今日の指摘を写すところから始められます。

指摘がどの条文に当たるかの判定や、法令に適合しているかの確認は、日報の側では行いません。是正を指摘ごとに束ねて追う台帳にもならず、残るのは巡視した人がその日に書いた行です。

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期限の日の知らせも、提出に合わせた所長や協力会社へのメールも、日報からは出ません。指摘を受けた職長には、その場で口頭でも伝えます。

閉じたかどうかは、「未是正」で検索して読みます。指摘した日の行は是正の後も「未是正」のまま出るので、場所の語で後日の行を探し、2 行を突き合わせます。

探せる期間は直近 7・30・90 日の 3 つで、90 日より前の日報は出ません。メンバーの権限で探せるのは自分の日報だけで、班の分はマネージャーか管理者が探します。

90 日を過ぎても閉じない指摘の期限は、紙か別の仕組みで追います。

指摘した日が 7 日前までなら、その日の日報を直して行を「是正済」に変えることもできます。ただし出し直すと、読む側の既読が消えて承認も取り消されます。

作業をすぐ止める必要がある指摘は、その場で止めさせ、同じ日の行に止めた措置まで書きます。前掲の手引きも、翌日の打合会に回す事項を「(作業の即時停止等が必要なものではないものであって)」と分けています(前掲 厚生労働省資料・2026-10-26 確認)。

同じ日に 2 回回った日は、1 件の日報の場所の列の頭に「9:30」「14:00」と時刻を入れます。

朝の健康 KY の人数を同じ日報に足す型は、健康 KY の記入例の記事にあります。

では、良かった点は明細に入れるのか。

講評と指摘を分ける — 明細に入れるのは是正を求めるものだけ⁠

良い点や全体の所見は文章の項目に書き、明細には是正を求めるものだけを入れます。

講評まで明細に入れると指摘の列に 1 が増え、日ごとの件数が是正の要るものの数でなくなります。文章の項目を「講評」の名前で 1 つ足し、「昇降口まわりの整理が続いている」のように書きます。

協力会社からの是正の報告書面を「是正報告書」と名付けるなら、注意が要ります。同じ名前は、福井労働局の記載例のように、監督指導で受けた事項の是正を労働基準監督署長あてに報告する書類にも使われています(福井労働局「是正報告書」・2026-10-26 確認)。

社内の書面は、宛先と件名で区別しておきます。

是正の写真と、日報で残せない場面⁠

是正の写真は、写真の項目を「是正前」と「是正後」に分け、明細の行と同じ順に撮ります。

明細の列に写真は置けず、写真 1 枚ごとの説明の欄も無いため、何枚目がどの指摘かは撮る順で合わせます。撮影日時は、EXIF のある写真にだけ残ります。

前と後を組で撮る理由は、工事写真の管理の記事にあります。

指摘と是正を下の形で回す現場では、紙の綴りか別の仕組みを使い続けます(括弧内は直感日報の側の事実)。

  • 指摘ごとに、協力会社から是正報告書を 1 枚ずつ受け取って綴じる
  • 期限を過ぎた指摘を、自動で知らせる(知らせは出ない)
  • 指摘ごとの台帳で、是正の状況を一覧にする(明細は日報ごとの行)
  • 1 つの明細に 31 件以上の指摘を書く(行は 30 行まで)
  • 紙を「安全パトロール結果報告書」の題で出す(紙面の題は作業日報のまま)

紙の指摘書の現場でも、表の 1 文と条番号の型はそのまま使えます。

よくある質問⁠

Q1. 安全パトロールの指摘事項は、誰が書きますか?⁠

637 条が巡視を求めている相手は特定元方事業者(元請)で、実際に回る人の役職までは条文に書かれていません。本記事の型では、回った人がその日の自分の日報の明細に書きます。

Q2. 是正の期限はどう決めればよいですか?⁠

期限の日数を定めた一次資料は本記事で確かめた範囲になく、期限は現場の取り決めで決めます。前掲の手引きは、作業の即時停止等が要るもの以外を翌日の安全工程打合会に反映させるとしており、期限はその打合せで取り決める形がとれます。

Q3. 発注者のパトロールで受けた指摘も、同じ明細に書けますか?⁠

書けます。受けた側の元請の代理人が自分の日報に書き、指摘事項の書き出しを「発注者:」として自社の指摘と分けます。

発注者のパトロールは 637 条の巡視とは別物なので、自社の件数に混ぜないなら、その行の指摘と是正の列は空けておきます。

まとめ: 次にやること⁠

  • 今日の指摘を 1 つ選び、表の型で「どこで・何を・どうすること」の 1 文と条番号に書き直す
  • 是正期限を、その場で止めるものと日を決めるものに分けて、現場で決めておく
  • 明細の 6 列を足し、指摘した日と是正を確かめた日の 2 行を 1 件分書いてみる

指摘 1 件が閉じたと言えるのは、指摘した日の行の後に、是正を確かめた日の行が書かれたときです。

口頭だけで伝えた指摘は、期限の日になると、どこまで直させるつもりだったかが受けた側と食い違いやすくなります。

場所と条文が 1 文に入った指摘なら、紙に書いても表計算に打っても、受けた側の直す中身は 1 通りに絞られます。

直感日報の集計では、是正の列の 1 が日ごとの件数になり、確かめた数を指摘の数と並べて読めます。

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※ 現場・場所・日付・数値と例文は架空の例です。条番号は根拠の候補で、現場の状況が条文の条件に当たるかは条文と元請・自社のルールで確かめてください。記事中の直感日報の機能は、2026 年 10 月 26 日に確認した時点のものです。

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