交通誘導警備員勤務実績報告書の書き方とは?記入項目8つとA・Bの違い・提出時期
公開日: 2026-08-18 直感日報 編集部
この記事でわかること
- 記入項目は 8 つ(月日・勤務時間・A/B 別の配置人員と延勤務時間・交代要員・主な作業工種)で、月計・工事計に積み上げること
- A と B の違いは検定合格の有無で、令和 8 年 3 月適用の労務単価では全国平均に 2,162 円の差があること
- 検定合格警備員の配置義務は、高速自動車国道・自動車専用道路と、公安委員会が必要と認める道路にかかること
- 提出時期と添付資料は発注者ごとに違い、配置実績が設計変更・実績精算の根拠資料になること
交通誘導警備員勤務実績報告書とは — 配置人員と勤務時間を 1 日 1 行で記録する書類【記入項目 8 つ】
交通誘導警備員勤務実績報告書とは、工事現場に配置した交通誘導警備員の人数・勤務時間・その日の作業工種を 1 日 1 行で記録し、月ごとに集計して監督員へ提出する書類です。受注者と警備会社の連名で出す様式が使われ、配置(計画・実績)表として計画と実績を 1 枚に兼ねる発注者もあります。様式は、工事名・施工箇所・検定合格者の配置の義務づけ(有・無)といったヘッダと、次の 8 つの欄を持つ日次の表でできています。
| 欄 | 書く内容 |
|---|---|
| 月日 | 交通誘導警備員を配置した日 |
| 勤務時間 | その日の勤務の開始と終了(例: 08:00〜16:00) |
| 交通誘導警備員A 配置人員(人) | その日に配置した A の人数 |
| 交通誘導警備員A 延勤務時間(h) | A の配置人員 × その日の勤務時間 |
| 交通誘導警備員B 配置人員(人) | その日に配置した B の人数 |
| 交通誘導警備員B 延勤務時間(h) | B の配置人員 × その日の勤務時間 |
| 交代要員 | 有・無 |
| 交通誘導警備員勤務時の主な作業工種 | その日に現場で行っていた作業(例: 掘削工) |
表の下には月計と工事計の行があり、工事計には当月までの合計を書きます(徳島市 令和 6 年 4 月版・牟岐町 様式 1・2026-08-18 確認)。
つまり 8 つの欄のうち 7 つが「その日の現場で起きたこと」で、最後の欄は日報の作業内容欄そのものです。あとから工事全体を振り返って埋められる書類ではありません。なお、数えるのは警備会社に委託した警備員の配置実績で、自社・協力会社の作業員の出面とは対象が別です(出面側は出面管理の記事へ)。
交通誘導警備員 A と B の違いは検定合格の有無 — 令和 8 年 3 月適用の労務単価で 2,162 円差
交通誘導警備員 A は交通誘導警備業務の一級または二級検定合格警備員、B はそれ以外の交通の誘導に従事する警備員です。様式で列が分かれているのは、国土交通省の職種定義がこの 2 つを書き分けており、公共工事設計労務単価も別に設定されているからです。
| 職種 | 定義 | 全国平均(加重平均) | 前年度比(単純平均) |
|---|---|---|---|
| 交通誘導警備員A | 交通誘導警備業務に係る一級・二級検定合格警備員 | 18,911 円 | +5.8% |
| 交通誘導警備員B | A 以外の交通の誘導に従事する警備員 | 16,749 円 | +6.7% |
| (参考)全国全職種 | 51 職種全体 | 25,834 円 | +4.5% |
差は 2,162 円です。この単価は令和 7 年度の公共事業労務費調査(有効標本数 85,670 人)に基づき令和 8 年 3 月から適用され、全職種の加重平均は 14 年連続の引き上げで初めて 25,000 円を超えました(国土交通省「令和 8 年 3 月から適用する公共工事設計労務単価について」 令和 8 年 2 月 17 日・2026-08-18 確認)。ただし所定労働時間内 8 時間当たりの金額で、時間外・休日・深夜の割増賃金や現場管理費・一般管理費等の諸経費は含まれていません(同資料に「交通誘導警備員A、Bの単価については、建設会社や警備会社に必要な諸経費…は、含まれていない」と明記)。A・B の区分は平成 19 年度からです。
では、単価の高いほうの A ——検定合格警備員——は、どんな場所で配置が義務になるのでしょうか。
検定合格警備員の配置が義務になる場所 — 高速自動車国道・自動車専用道路と、公安委員会が必要と認める道路
検定合格警備員の配置が法令上の義務になるのは、①高速自動車国道または自動車専用道路で行う交通誘導警備業務と、②道路または交通の状況により都道府県公安委員会が危険を防止するため必要と認める交通誘導警備業務の 2 つで、いずれも「交通誘導警備業務を行う場所ごとに、一人以上」です。
根拠は警備業法第 18 条と、その種別・人数を具体化した「警備員等の検定等に関する規則」です。同規則は第 1 条第 4 号で交通誘導警備業務を「工事現場その他人又は車両の通行に危険のある場所における……業務(交通の誘導に係るものに限る。)」と定義し、第 2 条の表の五・六で上の 2 つを挙げています(警備業法・検定規則・e-Gov・2026-08-18 確認)。押さえておきたい点は 3 つです。
- 義務は警備業者にかかる(第 18 条の主語は「警備業者は」)。元請が負うのは、発注者の仕様書に基づく証明書の提出と監督員との協議です
- 一級・二級のどちらでも配置要件は満たす(規則第 2 条の表が「一級又は二級」と定める)
- 合格証明書は従事中の携帯・提示が必要(規則第 3 条)
②の路線・区域は各都道府県公安委員会が指定するもので、全国一律のリストはありません。該当するかは発注者と所轄警察署に確認してください。徳島市の様式にヘッダ欄「検定合格者の配置の義務づけ 有・無」があるのは、この判定が工事ごとに変わるためです。
勤務実績報告書の書き方【記入例】— 1 日 1 行を月計・工事計に積み上げる
書き方の基本は、警備員を配置した日ごとに 1 行を起こし、勤務時間・A/B 別の配置人員と延勤務時間・交代要員の有無・主な作業工種を埋めて、月計と工事計に積み上げることです。
牟岐町の様式の記載例(08:00〜16:00 / A 1 人 8h / B 2 人 16h / 交代要員 無 / 掘削工)を下敷きに 2 日分と月計まで書くと、こうなります(数値は例示値)。
| 月日 | 勤務時間 | A 配置人員 | A 延勤務時間 | B 配置人員 | B 延勤務時間 | 交代要員 | 主な作業工種 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 8/17 | 08:00〜16:00 | 1 人 | 8h | 2 人 | 16h | 無 | 掘削工 |
| 8/18 | 08:00〜17:00 | 1 人 | 9h | 2 人 | 18h | 有 | 管布設工 |
| 月計 | — | 2 人 | 17h | 4 人 | 34h | — | — |
記入で迷いやすいところを整理します。
- 延勤務時間は「配置人員 × その日の勤務時間」。記載例の
B 2 人 16hは 2 人 × 8 時間の意味です - 配置人員の月計は延人員(日ごとの人数の合計)。牟岐町の様式は表紙側で A・B の延人員と延勤務時間を受け取ります
- 工事計は当月までの合計(徳島市の様式が工事計欄に「当月までの合計を記載」と注記)
- 作業工種の欄はその日の現場作業。松山市の配置(計画・実績)表は備考欄を「交通誘導警備員が必要な工種等を記入すること」としています
- 検定合格警備員を配置した日は氏名を残す。松山市は「計画表に検定合格警備員一覧表を添付し、実績表の備考欄に検定合格警備員の氏名を記載すること」とし、一覧表の列は氏名・会社名・1・2 級の別・合格証明書番号です(松山市・2026-08-18 確認)
- 計画は月単位でもよいが、実績は日単位(松山市「計画時は、月単位で記入してもよい」)
提出時期と添付資料は発注者ごとに違う【4 自治体の実例】
提出のタイミングと添付資料は法令ではなく発注者の仕様書で決まっており、実際に「毎月末集計・翌月 10 日まで」「設計図書の変更まで」「工事完了時」とばらつきます。
| 発注者 | 提出のタイミング | 添付・記載の要求 |
|---|---|---|
| 徳島市 | 毎月月末に集計し、翌月 10 日までに監督員へ | 勤務実績が確認できる資料(勤務伝票の写し)を添付 |
| 牟岐町(徳島県) | 別紙で各月ごとに勤務実績を整理し、本様式に添付のうえ「設計図書の変更」までに監督員へ | 勤務実績が確認できる資料(勤務伝票の写し等)を添付 |
| 松山市 | 配置(計画・実績)表として計画時と実績で提出 | 検定合格警備員を配置する場合、計画表に検定合格警備員一覧表を添付し、実績表の備考欄に氏名を記載 |
| 今治市 | 工事完了時に雇用実績様式(交通整理員勤務実績表)を提出 | 実施状況写真と併せて監督員へ。配置に先立ち「検定合格警備員証明書」に合格証の写し等を添付して提出し、配置人員・配置位置・配置期間等を監督員と協議(変更時も同様) |
今治市のように完了時にまとめて出す運用でも、配置のたびに証明書の提出と監督員との協議は入ります(今治市「検定合格警備員の配置に関する特記仕様書」平成 30 年 7 月・2026-08-18 確認)。
根拠として引かれる共通仕様書の条項番号も、発注者ごとに違います。愛媛県は様式 28・28-1(配置表と検定合格警備員一覧表)を共通仕様書 第 1 編 1-1-1-32 に紐づけていますが(愛媛県「請負工事に用いる帳票様式」平成 30 年 7 月・2026-08-18 確認)、今治市は同趣旨の規定を「第 1 編 1-1-36 安全対策」として引いています。条項番号を他工事から流用せず、その工事の特記仕様書と提出書類一覧を確認してください(実施状況写真の残し方は工事写真の管理の記事へ)。
配置実績が設計変更・実績精算の根拠になる
当初設計より警備員を増やした、確保が難しくて遠方から呼んだ、といった変化があったとき、設計変更や実績精算の根拠になるのが配置の計画書と実績です。国土交通省 九州地方整備局の設計変更ガイドライン(案)が挙げる事例は、躯体工事が本格化して生コン車の通行が頻繁になるのに、当初の設計図書に交通誘導警備員の計上がなかったというもの。受注業者は確認を要請して交通量調査を行い、交通誘導警備員配置計画書(打設予定日・打設箇所・配置人数を並べた表で合計 32 人)を作成し、発注者は協議に基づいて特記仕様書・交通誘導警備員・交通量調査を計上しています(同ガイドライン 令和 2 年 5 月・2026-08-18 確認)。必要資料は「交通誘導警備員配置図、配置計画」。契約書第 19 条の具体例にも「隣接工事との調整で、交通誘導警備員の人数を変更する」があります。
一方で、同ガイドラインは設計変更ができないケースも明示しています。条件明示のない事項を協議せず独自判断で施工した場合、協議の回答がない時点で施工した場合、口頭のみの指示・協議など書面によらない場合などです。増えた人数を後から主張するのではなく、協議と書面が先に立ちます。
確保が難しい地域向けの運用基準もあります。徳島県の「交通誘導警備員の確保に要する間接費の実績変更の運用基準」は、現場から警備業者の営業所までの片道距離が 30km 以上などの 3 要件を満たす工事等で、受注者が実績報告書(様式 1)と内訳を提出して協議し、最終精算変更時点で設計変更する仕組みです(徳島県・2026-08-18 確認)。
いずれの経路でも、出発点は「いつ・何人・どこに・どの工種の作業で配置したか」を書面で示せること。日々の数量を月ごとに積み上げる構図は出来高報告書の書き方の記事と同じです。
日々の配置人員と作業工種の記録を勤務実績報告書の「原本」にする
弊社が提供する直感日報は日報の記録・数値集計・CSV エクスポートを行うツールであり、交通誘導警備員勤務実績報告書・配置(計画・実績)表・検定合格警備員一覧表などの様式そのものの自動作成や、延勤務時間の自動計算、警備会社の勤務伝票の発行・取り込み、監督員への提出、設計変更の協議はできません。また、勤怠管理・打刻・賃金計算の機能もありません。日々の配置人員・勤務時間・作業工種を記録し、月末の集計や提出前の突合で参照する原本を整えるところまでが役割です。
その範囲でも、実績表の欄が「その日の現場」で埋まる以上、毎日の日報がそのまま効きます。スマホから 15 秒で提出でき、配置人員(人)・延勤務時間(h)などの数値項目は設定ゼロで自動集計されるので、月末に手帳や写真をさかのぼる手作業を減らせます。CSV エクスポートで期間分を一覧にすれば、勤務伝票の写しとの突合や様式への転記の照合原本になります(日報の集計を自動化する記事・CSV エクスポートの記事)。配置要否の判断や勤務伝票の内容は、元請・警備会社・所轄警察の責任で決まるもので、ツールが代わるものではありません。
よくある質問
Q1. 交通誘導警備員 A と B はどちらで積算されますか?
工事の設計と特記仕様書によります。令和 8 年 3 月適用の労務単価の全国平均は A 18,911 円・B 16,749 円(差 2,162 円)。実績が設計と違ってきたときは監督員と協議します。
Q2. 検定合格警備員が必要かどうかはどう判断しますか?
法令上の配置義務は、警備員等の検定等に関する規則 第 2 条の表の五(高速自動車国道・自動車専用道路)と六(都道府県公安委員会が必要と認めるもの)で、いずれも場所ごとに一人以上です。六に該当するかは公安委員会の判断によるため、発注者と所轄警察署に確認してください。
Q3. 交代要員の欄は何のためにありますか?
交代要員の配置状況を「有・無」で記録する欄です。徳島市・松山市・今治市の様式はいずれも同じ列を持ち、配置人員・勤務時間と並ぶ実績項目になっています。
Q4. 実績表はいつまでに提出しますか?
発注者ごとに異なります。徳島市は毎月月末に集計して翌月 10 日までに、牟岐町は各月ごとに整理して「設計図書の変更」までに、今治市は工事完了時に実施状況写真と併せて監督員へ、という定めです。
Q5. 勤務伝票は誰が出すのですか?
警備会社です。徳島市と牟岐町の様式は「勤務実績が確認できる資料(勤務伝票の写し)」の添付を求めています。受注者は自分の記録と突き合わせて様式に転記します。
Q6. 民間工事でも必要ですか?
本書類は発注者の仕様書に基づく提出書類で、実務としては公共工事の運用です。民間工事で同じ様式が要るかは契約によります。ただし検定合格警備員の配置義務(警備業法第 18 条・検定規則第 2 条)は場所と交通の状況で決まるため、公共・民間の区別なくかかります。
まとめ: 交通誘導警備員勤務実績報告書は「1 日 1 行」を月と工事に積み上げる書類
- 記入項目は 8 つ(月日 / 勤務時間 / A の配置人員・延勤務時間 / B の配置人員・延勤務時間 / 交代要員 / 主な作業工種)。月計・工事計に当月までの合計を積み上げる
- A と B の違いは検定合格の有無。令和 8 年 3 月適用の労務単価は全国平均で A 18,911 円・B 16,749 円(差 2,162 円)、所定労働時間内 8 時間当たりの金額
- 配置義務は高速自動車国道・自動車専用道路と、公安委員会が必要と認める道路で、場所ごとに一人以上(警備業法第 18 条・検定規則第 2 条の表 五・六)
- 提出時期と添付資料は発注者ごとに違う(徳島市 = 翌月 10 日 / 牟岐町 = 設計図書の変更まで / 今治市 = 完了時に実施状況写真と)
- 配置実績は設計変更・実績精算の根拠になる。ただし協議と書面が前提で、埋める材料は日々の 1 行だけ
まずは特記仕様書で提出時期と添付資料を確認し、今日から配置人員・勤務時間・作業工種を 1 日 1 行で残すところから始めてください。
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この記事は直感日報 編集部が提供しています。
<small>※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としています。交通誘導警備員勤務実績報告書・配置(計画・実績)表の様式・提出時期・添付資料は発注者ごとに異なり、検定合格警備員の配置要否の判断は元請・警備会社・所轄警察の責任で行うものです。実際の工事では当該工事の契約書・特記仕様書・提出書類要領と現場ルール・関係法令を優先し、疑義は監督員・発注者・所轄警察署にご確認ください。</small>