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KY活動とは|実施義務の条文と、リスクアセスメントとの違い

公開日:  直感日報 編集部

KY活動とは|実施義務の条文と、リスクアセスメントとの違い

労働安全衛生法にも労働安全衛生規則にも、「危険予知」という語はありません。KY 活動を命じた条文はなく、近いのは 28 条の 2 のリスクアセスメント(努力義務)です。

この記事でわかること
- 本記事で確認した労働安全衛生法と労働安全衛生規則の全文に「危険予知」「KY」の語はない(e-Gov 法令検索・当社で確認)
- 安衛法 28 条の 2 第 1 項は「講ずるように努めなければならない」と定める努力義務(e-Gov)
- 同項ただし書きの対象業種は、安衛則 24 条の 11 第 2 項を経て安衛令 2 条 1 号の建設業へ(同)
- 調査の時期は、建設物の設置・移転・変更・解体/設備・原材料/作業方法の新規採用や変更/変化のおそれ、の 4 つ(安衛則 24-11)
- KYT4ラウンド法は住友金属工業・中央労働災害防止協会・旧国鉄に由来し、厚生労働省は「標準とされています」と書く(あんぜんサイト)

KY活動に法定の義務はあるか — 安衛法に「危険予知」の語はない【早見表】

本記事で確認した労働安全衛生法と労働安全衛生規則に、「危険予知」という語はありません

論点法令の定め出どころ
KY 活動の実施条文なし(「危険予知」の語が 0 件)安衛法・安衛則の全文検索
リスクアセスメント努力義務(建設業も対象業種)安衛法 28 条の 2・安衛則 24-11
様式・記録の残し方定めなし安衛法 28 条の 2・安衛則 24-11

e-Gov 法令検索で「危険予知」を検索しても 0 件です(e-Gov 法令検索 労働安全衛生法・労働安全衛生規則・2026-09-11 実読)

KY活動とは — 法令ではなく、KYT4ラウンド法という手法

危険予知活動(KY 活動)に近い説明は、法令ではなく厚生労働省の用語解説にあります

そのページには由来も書かれています。「もともと住友金属工業で開発されたもので、中央労働災害防止協会が職場のさまざまな問題を解決するための手法である問題解決4ラウンド法と結びつけ、さらにその後、旧国鉄の伝統な安全確認手法である指差し呼称を組み合わせた「KYT4ラウンド法」としたものが標準とされています」(厚生労働省 職場のあんぜんサイト「危険予知訓練(KYT)」・2026-09-11 実読)

民間企業と民間の団体と旧国鉄が出どころです。文末も「標準とされています」で、「定められています」ではありません。

4 つのラウンドは、ひそむ危険を出し合い、重要な危険にしぼり、対策案を出し、重点実施項目とチーム行動目標を決める流れです。

法令で近いのは28条の2 — リスクアセスメントは努力義務

法令で KY 活動に最も近いのは、安衛法 28 条の 2 のリスクアセスメントです

条文は、危険性又は有害性等の調査と、その結果に基づく措置を定めたうえで、文末を「講ずるように努めなければならない」で結びます(e-Gov 法令検索 労働安全衛生法 28 条の 2・2026-09-11 確認)。この努力義務の形が、ほかの条文との違いです。

2 項では厚生労働大臣が指針を公表するものとされ、3 項ではその指針に従った指導、援助等が定められています(同)。

雇い入れたときと作業内容を変更したときの教育は 59 条の義務で、新規入場者教育の記事にあります。

努力義務だとして、建設業はそもそもこの条文の対象なのでしょうか。

建設業は対象業種に入るのか — ただし書きを3段たどる

建設業は 28 条の 2 の対象業種に入り、条文上の経路はただし書きから 3 段です

1 段目がただし書きです。「当該調査のうち、化学物質、化学物質を含有する製剤その他の物で労働者の危険又は健康障害を生ずるおそれのあるものに係るもの以外のものについては、製造業その他厚生労働省令で定める業種に属する事業者に限る」とあります(前掲 e-Gov 労働安全衛生法)。

2 段目が厚生労働省令です。安衛則 24 条の 11 第 2 項は「法第二十八条の二第一項ただし書の厚生労働省令で定める業種は、令第二条第一号に掲げる業種及び同条第二号に掲げる業種(製造業を除く。)とする」と定めます(e-Gov 法令検索 労働安全衛生規則 24 条の 11・労働安全衛生法施行令 2 条・2026-09-11 確認)

3 段目が政令です。安衛令 2 条 1 号は「林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業」を挙げています(同)。

ただし、安衛令 2 条は総括安全衛生管理者を選任すべき事業場の条で、24 条の 11 第 2 項が借りるのは業種の列挙だけです。2 条が示す規模の数字は、この経路とは関係しません(同)。

RAとKYは時間軸が違う — 調査の時期は「毎朝」ではない

調査を行う時期は安衛則 24 条の 11 第 1 項の 4 つで、そこに「毎朝」はありません

条文は「法第二十八条の二第一項の危険性又は有害性等の調査は、次に掲げる時期に行うものとする」として、次の 4 つを並べます(e-Gov 法令検索 労働安全衛生規則 24 条の 11 第 1 項・2026-09-11 確認)

  • 建設物を設置し、移転し、変更し、又は解体するとき。
  • 設備、原材料等を新規に採用し、又は変更するとき。
  • 作業方法又は作業手順を新規に採用し、又は変更するとき。
  • 前三号に掲げるもののほか、建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等による、又は作業行動その他業務に起因する危険性又は有害性等について変化が生じ、又は生ずるおそれがあるとき。

4 つはいずれも、計画や段取りが動く時点です。これに対して、現場で運用されている KY 活動が向くのは、その日その場の作業です。

調査は計画の側、KY はその朝に組む班の側にあり、片方をやればもう片方が済む関係にはなりません。

法令のレーンと手法のレーンを並べた図。法令側は安衛法 28 条の 2 の努力義務と安衛則 24 条の 11、手法側は KYT4ラウンド法の由来。下段に前日の日報と翌朝の 1R を並置

様式も保存年数も法定ではない — では何を残すか

28 条の 2 と安衛則 24 条の 11 のどちらにも、記録の作成や保存の定めが置かれていません

条文にあるのは、調査と措置、調査の時期、対象業種、指針の公表と指導援助です。書式や記録を求める項はありません(前掲)。

用語解説の準備物も「イラストシート、模造紙、赤黒マジックインキ」で、帳票の様式ではありません(前掲 あんぜんサイト)。

記録の条文がある例とない例を並べると分かります。足場の点検では、悪天候などの後の点検にだけ記録の条文があります(足場の点検表の記事)。巡視には、行為の義務はあっても記録を命じる条文がありません(安全パトロールの記事)。

書いた内容によっては別の記録の保存の話です(作業日報の保存期間の記事)。

様式が決まっていないからこそ、何をどこに残すかは自社で決めることになります。スマホから 15 秒で提出できる日報アプリの直感日報(建設・店舗など現場チーム向けの日報管理サービス)なら、その日の作業と気づきが現場名やキーワードで後から引けます。

直感日報は、危険を洗い出したり KY の内容を評価したりするツールではありません。日報が KY 活動の記録そのものの代わりになるわけでもありません。

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KY 活動の様式の提供、ヒヤリハットの分析、安全教育の受講管理、パトロールの指摘管理をする機能はありません。勤怠管理・打刻・賃金計算の機能もありません。

残す場所が決まれば、次は毎朝の中身です。

ネタ切れの正体 — 危険源は前日の現場の中にある

ネタが出ないのは、毎朝ゼロから危険源を思い出そうとしているからです

1 つ目のラウンドが求めるのは、イラストシートにひそむ危険を出し合うことでした。現場では、その代わりになるのが前日の自分たちの現場です。

前日に何の作業をして、どの機械を使い、天候がどうで、どんな指摘を受けたか。この 4 つが手元にあれば、翌朝は白紙から始まりません。

作業の欄からは、今日も続く工程と、今日から変わる工程が読み取れます。変わるところが、その朝に見に行く場所になります。

機械の欄からは、今日から別の機械が入るのかが分かります。入れ替わる日は、段取りの確認から始めます。

天候の欄が効くのは、前日の跡が残る場面です。強い風や雨のあとは、足元と仮設の状態が昨日と違っています。

指摘の欄は、そのまま翌朝の確認項目になります。是正が済んでいるかを見に行けば、話が具体的になります。

たとえば前日に開口部の養生を指摘されていれば、同じ箇所が今朝の危険のポイントの候補です。ここまでのどれも、前日に書いた人の手元にしかありません。

日報に何をどう書くかの型は、現場日報の書き方の記事が扱っています。安全確認の欄を毎日「特になし」で埋めないでおくと、翌朝に読み返す材料が残ります。

書く側の負担を増やさないことも条件です。欄を足すのではなく、すでに書いている 4 つを翌朝に開ける形にします。

よくある質問

Q1. KY活動をやらないと法令違反になりますか?

本記事で確認した安衛法・安衛則に、KY 活動を命じた条文はありません。法令で近いのは 28 条の 2 のリスクアセスメントで、条文は努力義務の形です。

元請や自社の安全衛生管理のルールは、法令とは別に決まります。現場で求められる手続は、契約と作業所のルールで確かめます。

Q2. KYの記録は何年残しますか?

法令に年数の定めはありません。KY のために書いた紙そのものを何年残すかは、自社で決めることになります。

ただし、書いた内容によっては別の記録として保存の対象になります。線引きは作業日報の保存期間の記事にあります。

Q3. リスクアセスメントとKYは何が違いますか?

時期と単位が違います。調査の時期は安衛則 24 条の 11 第 1 項の 4 つで、KY が向くのはその日その場の作業です。

どちらかをやればもう片方が済む、という関係にはなりません。計画が動いた時点と毎朝の作業とで、見ている対象が別だからです。

Q4. KY活動表の様式は決まっていますか?

法令に様式の定めはありません。元請や発注者が独自に様式を指定することはあるので、現場のルールを確かめてください。

様式が決まっていないぶん、欄の作り方は自社で決められます。前日の記録から引ける形にしておくと、翌朝に見る場所が減ります。

Q5. 一人作業でもKYは要りますか?

条文がない以上、法令から要否は導けません。自社の安全衛生管理のルールと、元請との取り決めによって決まります。

一人で入る日でも、前日の指摘や天候は同じように残ります。確認の手順を先に決めるかどうかが、分かれ目です。

まとめ: 条文はない、努力義務は28条の2、様式は自社で決める

  • 自社の KY 活動を「法定」と思って運用していないか確かめる
  • リスクアセスメントの時期と、毎朝の KY を分けて持つ
  • 前日の作業・機械・天候・指摘を、翌朝に開ける場所に残す

命じた条文がなく、様式も記録の定めもない。だから何をどこに残すかは、自社の決めごとになります。

前日の作業を翌朝ゼロから思い出すところに、朝礼前の時間が消えていきます。

残し方は KY ボードでも、紙の日報でも、日報アプリでも構いません。

その日の作業と気づきを現場名やキーワードで後から引けるのが直感日報です。

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翌朝の危険源も、前日の日報を開けばそこにある。その日の作業・機械・天候・指摘を日報に。翌朝は現場名で開いて読み返せます。無料で 14 日試す →クレジットカード不要・400 円/人/月・最低 5 名から直感日報のスマホ提出画面

※ 本記事は一般的な情報の提供を目的としています。安全衛生の取扱いは工事の内容・元請のルール・発注者の要領で異なります。実際の現場では契約図書・関係法令の最新版と元方事業者の定めるルールを優先し、個別の義務は所轄の労働基準監督署・元請にご確認ください。